救急搬送の「受け入れ不能」問題!受け入れてもらうためにしておいた方がいい対策は?

救急搬送の「受け入れ不能」問題!受け入れてもらうためにしておいた方がいい対策は?

2013年1月、埼玉県久喜市で呼吸困難を訴え119番した75歳男性が

25病院から計36回救急搬送の受け入れを断られ

男性は通報の二時間半後に搬送先が決まったが、到着した病院でまもなく死亡が確認された。

男性は一人暮らしで1月6日午後11時25分ごろ、「呼吸が苦しい」と自ら通報したのにも関わらず「処置困難」や「ベッドが満床」などの理由で断られた。

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増加している救急搬送の「受け入れ拒否」

総務省消防庁によると、2011年に重症患者の救急搬送で医療機関から3回以上受け入れ拒否されたケースは、過去最多を更新し、1万7281件にも及ぶ。

24時間対応できる三次救急医療機関が足りない現状

二次救急まででは対応できない重篤な疾患や多発外傷に対する医療であり、救急救命センターや高度救急救命センターがこれにあたる。

現状では人口100万人あたり1カ所しかない三次救急医療機関に救急患者を集中させると、診察までに数時間かかってしまうため、結果として救命につながらなくなってしまう。

三次救急とは?日本の救急医療制度

日本の救急医療制度は、患者の重症度によって三段階に分けられている。

一次救急
入院の必要がなく外来で対処できる状態、徒歩での移動が可能で受診後帰宅できる状態の患者に対応

二次救急
入院して加療が必要な患者に対応

三次救急
ICUで高度な集中治療が必要な患者に対応

たらい回しの原因は?

受け入れ拒否

二次救急を受け入れる「救急病院」でありながら、受け入れ拒否をする病院が多いのはなぜ?

・「空きベッドがない」
・「医師・専門医不足」
・「ほかの患者の処置で忙しい」
・「既往歴などのデータが全くない患者を受け入れるのはリスクが高い」
・「緊急搬送するほどでもない患者の増加」

自分で出来るたらい回し対策とは?

もし、自分が救急者を呼ぶような事態になった時のためにも自分でできる対策を知っておきましょう。

地域の救急病院にかかりつけを作っておく

既往歴などのデータが全くない患者を受け入れるのはリスクが高いため、断るしかなかったりするのです。

そのため、地域の救急病院にかかりつけを作っておくといいでしょう。

かかりつけ患者の場合、受け入れ拒否の確率はかなり低くなるということです。

その病院の診察券を持っているだけでも違ってきます。

健康保険証と共に、検査データを持っておく

自分の既往歴やアレルギーの有無、持病がある人はその検査データなどを持っておくと、医療機関側もどのような患者か把握しやすく、受け入れしてもらいやすいです。

救急車で病院に行く場合とタクシーで行く場合の違いとは?

救急車で行けばいいのか?自力で行けばいいのか?

救急車で行く場合

救急室に運ばれて、医者も看護士もすぐに呼ばれます。

タクシーで行く場合

時間外なので診察時間まで待てないかと受付に聞かれます。

待てないと言った場合 、医者に連絡がいきますが、救急担当ではなくて外来担当などに連絡が行くので別の患者さんを見ている場合すぐには対応できません。

救急車を呼んだ方がいいのか判断に迷った時は、救急相談窓口に

急な病気や怪我などをした時、救急車を呼んだほうがいいのか?

自分で病院を受診すればいいのか?どこの病院に行けばいいのか?

わからないことだらけ。

そんな時は救急相談窓口に相談してみましょう。

#7119 救急相談センター(東京都)救急安心センター(大阪府、奈良県)
#8000 小児救急医療電話相談事業

ためらわず救急車を呼んでほしい症状

・顔半分が動きにくい、あるいはしびれる
・にっこりと笑うと口や顔の片方がゆがむ
・ろれつがまわりにくい、うまく話せない
・視野がかける
・物が二重に見える
・顔色が明らかに悪い

・突然の激しい頭痛
・突然の高熱
・支えなしで立てないぐらいに急にふらつく

胸や背中

・突然の激痛
・急な息切れ、呼吸困難
・胸の中央が締め付けられるような、または圧迫されるような痛みが2~3分続く
・痛む場所が移動する

・突然の激しい腹痛
・持続する激しい腹痛
・吐血や下血がある

手足

・突然のしびれ
・突然、片足の腕や足に力が入らなくなる

交通手段がない場合は、民間救急車を利用しよう

東京都の場合「緊急性はないけれども、病院までの交通手段がない」という時などに、財団法人東京救急協会が運営する「東京民間救急コールセンター」に連絡すると東京消防庁が認定した民間救急車や、サポートCABを案内してくれます。

東京民間緊急コールセンター(9時~17時 年中無休)0570(039)099

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