みんな大好き!全品100円均一の回転寿司ですが「100円という低価格でなぜ儲かるのだろう」と疑問に思ったことはありませんか?
全品100円の回転寿司はなぜ儲かる?
子供からお年寄りまで大好きなお寿司を低価格で提供しているのに美味しく、好きな外食ランキングでも上位の「回転寿司」ですが、
その裏にはどのようなしくみがあるのだろう?
独自の考察をふまえ、まとめてみました。
回転寿司の原価率
ファミレスの原価率は30%程に対し、スシローやくら寿司の原価率は50%程、かっぱ寿司は40%弱。
とにかく、寿司のネタにお金をかけています!
これは「安いネタを提供して儲けを出しているのだろう?」という客のイメージを「安くて美味しかった」と思わせることでリピーター率を上げる狙いがあるんです!
原価の高いネタ(まぐろやウニなど)の人気商品には、特に原価をかけ、赤字覚悟で客の満足度をアップさせるのが大手回転寿司チェーン共通の経営方針というわけなんです。
原価率の高いネタ
1位 85円 ウニ
2位 78円 マグロ
3位 68円 ケーキ
4位 66円 ハマチ
5位 65円 いくら
6位 64円 キングサーモン
7位 63円 かにサラダ
原価率の低いネタ
1位 30円 たまご
2位 25円 エビ
3位 10円 ツナ
原価率の高い回転寿司店で採算が取れる仕組みとは?
全品108円(税込)の回転寿司チェーンは、主に子連れのファミリー客が多いです。
そのため、1人あたりの客単価は平均1000円程度です。
当然、原価の高いネタばかりが出てしまえば、採算が取れなくなってしまいますが、100円均一の回転寿司はファミリー客の利用が圧倒的に多いため、子供が好きなタマゴ、エビ、ツナマヨコーン、カッパ巻き(いずれも原価20円程度)といった寿司を食べて貰えることで採算が取れるようになっています。
ターゲットはファミリー層
100円寿司のターゲットはファミリー層です。そのため、店舗をかまえる場所もよく考えられています!
新開発されマンションがバンバン建っているような比較的若いファミリーが多い地域、車で外食に出かけるのがデフォルトな郊外など‥‥ファミリー世帯が多い地域に出店している場合が多いです。
また、駐車スペースを設けることで、比較的広範囲からの来店を増やすことができ、子供からお年寄りまで、家族での利用をしやすくする狙いがあります。
サイドメニューの充実で「おいしいお寿司が食べられるファミレス」に
最近では、サイドメニューを充実させることで寿司以外の注文も増やし、1人あたりの客単価をあげる狙いがあるほか、子供が大好きな「ポテトフライ」や「ラーメン」等をメニューに入れることで、子供がお寿司を嫌いでも食べに来やすくなりました。
結果ファミレスからお客さんが流れてきたため、より一層サイドメニューに力を入れて、リピーターを増やしています。
厨房は徹底した合理化
- 人件費を抑えるため、100円回転寿司のほとんどが店舗に寿司職人を置いていない。
- アルバイト店員が、ロボットの握ったシャリに加工済みのネタを乗せるだけ
- 人件費削減の為に、各チェーンにタッチパネル式の注文端末を導入。
- 注文データをリアルタイムで集計し、効率よく売れ筋商品をレーンに流せるようにし、廃棄ロスが少なくしている。
消費者の心理ををうまく利用
昔の回転寿司に比べると「お寿司があまり流れてないな?」と感じている方も多いと思いますが、実は、ここにもカラクリがあります。
レーンに回ってるお寿司が少ない ⇒ 食べたいお寿司が回ってこない ⇒ タッチパネルで注文する。
単純に自分が食べたいものを注文しているだけ、とも思える一連の動作ですが‥‥
これは、回ってくる商品よりも(自分が食べたいものが回ってくるのを待つよりも)「タッチパネルで注文した商品の方が新鮮なんじゃないか?」という消費者の心理をうまく利用し、廃棄ロスを少なくする狙いがあるわけです。
鮮度管理の徹底
最近は、店側も独自の厳しい基準を設けて鮮度管理を徹底するようになっています。
たとえば『スシロー』では、皿をICタグで管理。
レーンを350m(分速7mで50分)回ったネタは自動廃棄し鮮度を保っています。
また『無添くら寿司』では、「タイやハマチなどの鮮魚は皮を引いた時点で鮮度が落ちてしまうので、皮の付いた短冊状態で保管し、注文が入ってレーンに流す直前に皮を引き提供しています。
なので、新鮮なネタを食べたいならレーン上に同じネタが回っていても遠慮せずオーダーした方がよいのです。
くら寿司の「ビっくらポン!!」はよく出来たシステム
くら寿司は皿カウンターに皿を5枚入れるたびに、タッチ画面でゲームが始まります。
「あたり」が出ると、くら寿司オリジナルグッズが当たる仕組みです。
子供向けのゲームだと思いきや‥‥?実はとっても戦略的。
子供はゲームがしたいため、自分の食べた皿や親の皿を、皿カウンターに入れます。
あと1皿食べれば、もう1度ゲームが出来るとなれば、子供は「もう1皿食べよう!」もしくは、「パパ!もう1皿食べて!」となりますよね。
また、皿カウンターに皿を入れることで、自分が何皿食べたのか分からなくなります。
こうすることにより、食べた皿の枚数を数え、食べる量を制限する人を減らすことができます。
結果、1人当たりの客単価をあげることができる、というわけです。
「本格コーヒー」で逃していたお客を開拓!
お昼時の回転寿司の客層は、場所によるかもしれませんが、主婦やサラリーマンが多いです。ママ友とランチだったり‥‥お昼を食べながら仕事の話をするサラリーマンなどです。
前者の場合、長居をするケースが多いのですが‥‥お腹いっぱい食べても、ついつい手持無沙汰になると「デザートでも食べようかな!ついでにコーヒーも!」となるケースも少なくないんですね。
これは(コーヒーを導入することにより、今までの飲み物は緑茶という違和感を払拭し)食後に次の店に行かせず、デザートを注文してもらうなどし、客単価を上げる狙いがあります。
後者の場合、仕事のお昼時間に来ているので「仕事前に1杯コーヒー飲んでから行こうか」となります。
打ち合わせ(商談)に来ている人も少ないので、そういった方へのニーズがあるわけなんですね!
まとめ
財布の中身を気にせず、お腹いっぱい食べれる回転寿司。
視点を変えて食べに行くと、すごーく面白いです。
もちろん原価などを気にせず「一人一人好きなものを食べられる」という、回転寿司の醍醐味を忘れてはいけません!